第045回「エヴァンゲリオンとは何だったのか・2」

続きです。

「エヴァ」が時代が90年代の空気をすくいあげたのだとすれば、その「エヴァ」を受容していた人はそれにどのような反応を示したのか。「エヴァ」現象の中にいた西嶋を例に、その雰囲気を分析していこうと思います。

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〔キーワード〕
新世紀エヴァンゲリオン,GAINAX,東浩紀,『ゲーム的リアリズムの誕生』,二次創作小説,SS,逆行物,物語,動物,

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変人力と改革力―高橋洋一『さらば財務省!』

(マリン)

 僕が所属しているゼミで、先日「いちおし!コンテンツ」で取り上げた、高橋洋一さんの『さらば財務省!』(講談社、2008年)の読書会をやりました。もう一度しっかり読み直したので、書評を書いてみまーす。
 著者・高橋洋一さんは、元財務官僚で2008年4月から東洋大学経済学部教授に転身しました。官僚時代は、小泉政権の竹中平蔵大臣のブレーンとして活躍した人物です。竹中さんのブレーンを務めたわけですから、高橋さんは当然小さな政府論者であり、上げ潮派【注1】です。
 注目すべきは、高橋さんが財務省出身であるにも関わらず、上げ潮派であるということです。財務省は早期の増税を画策していますから、高橋さんと財務省の立場は真っ向から対立します。また高橋さんは、小泉政権時に財務省の権益となっている政策投資銀行などの政府系金融機関の改革を推進しています。そのため、財務省や財務省寄りの政治家からは、めちゃくちゃ嫌われているようです。本書では、財務省の幹部に「高橋は三回殺しても殺し足りない」と言われたこと、与謝野馨前官房長官が「高橋を抹殺してやる」と発言したらしい、というエピソードが紹介されています。うーん、恐ろしいですねぇ。
 一般的に、官僚は自分が所属する省庁への強い忠誠心を持っているとされており、「日本の官僚は国益よりも省益を追求する」と批判されることもしばしばです。なぜ高橋さんは、こんなにも財務省とぶつかる道を選んだのでしょうか。本書を読み、僕はその理由が高橋さんの出自とキャラクターにあるのでは、という感想を持ちました。
 まずは一つ目の理由である高橋さんの出自を見ていきましょう。高橋さんは、東大理学部数学科出身で、東大法学部卒が大勢を占める霞ヶ関(とくに財務省)では異色の存在。そもそも財務省に入省したのも、就職がほぼ内定していた研究所に運悪くはじかれてしまったのが理由だそう。そんな経緯で財務省に入ったわけですから、財務省に対する強い思いを持てなかったみたいです。また、官僚の世界は東大法学部の天下になっているため、理学部卒の高橋さんは最初から傍流扱いされていたようで、そのことも相当頭に来ていたようです。本書を読む限り、高橋さんはかなり高い数理的なセンスを持っていて、最先端の経済・金融理論を使いこなせる数少ない人間だったようですから、数字に弱い法学部卒の官僚が大きな顔をしているのが気にくわないのは当然ですよね。高橋さんは、霞ヶ関の傍流におかれたことで、霞ヶ関の悪しき慣習やステレオタイプに毒されることなく、改革を推進することができたのではないでしょうか。
 次に二つ目の理由、高橋さんの「変人力」とは何でしょうか。財務省には2年に1人くらいの割合で「変人枠」があり、高橋さんは、「私はその『変人枠』で採用されたようだった」(40ページ)と述べています。さらに続けて、「私は数学科の学生というだけでなく、学生結婚をしていて、私生活でも特異だった」というフレーズがあります。私生活でも特異ってどんなだよ、と思うのですが・・・。実は、僕も一度シンポジウムで高橋さんをお見かけしたことがあって、かなり不思議なオーラを放っていましたのを記憶しておりますー。あらためて考えると、「3回殺しても殺したりない」とか「抹殺してやる」って言われている人って、日本国内にもあんまりいないと思うんですよね。これくらい嫌われるってのは、ちょっと変わったところがないとできないはず。もちろん嫌われているってことは、それほど財務省の権益を削ることができたのを証明するもので、プラスに評価されるべきです!(ナイスフォロー!) 
 さて最後に本書の読み方についてちょっとガイドを。本書は、小泉改革の舞台裏を知る上でかなり有益ですが、この本はあくまで竹中ブレーンの立場で書かれているため、内容はかなり竹中さん寄りです。本書を読むと、高橋さんが小泉改革の司令塔のように見えますが(高橋さんの著者紹介欄には「小泉改革の司令塔」と書いてあります)、あくまで小泉改革の司令塔は小泉さんです。たとえば、小泉さんは、竹中さんや高橋さんとは正反対の意見を持つ、与謝野馨さんを竹中さんの後任として経済財政担当大臣に任命しました。竹中さん、高橋さんにはこの人事を理解できないはずです。小泉さんは、小泉改革を竹中さん・高橋さんよりも上のレイヤーで見渡していたわけで、高橋さんはその小泉の視点には立てません。つまり本書は、竹中ブレーンの視点から小泉改革の一側面を映し出したものにすぎないのです。
 なぜこんな当たり前の指摘をしたかというと、本書では、小泉改革における高橋さんの功績が強調されているため、本書を読むと高橋さんの働きを過大評価してしまい、「高橋が小泉改革を支えたんだ!高橋ばんざい!」ということになりかねないからです。もちろん高橋さんが改革に果たした役割は高く評価されるべきですが、小泉改革は、さまざまな立場から論じられるべきであり、高橋さんや竹中さんとは立場の異なる与謝野さんなどの視点などを含めて総合的に判断しなければなりません。その意味で、小泉改革を理解するというのをテーマにするなら、他の本の方がよいかもしれません。たとえば、清水真人『官邸崩壊』、『経済財政戦記』(どちらも日本経済新聞社)などは、実力派の新聞記者によるルポタージュで、おすすめです。こんな感じで最後は他の本の推薦になってしまいましたが、高橋洋一『さらば財務省!』も、もちろんおすすめですよー。

【注】
(1)増税による財政再建ではなく、経済成長による財政再建を目指す立場。政治家では元自民党幹事長中川秀直氏、学者では竹中平蔵を中心とする「チーム・ポリシーウォッチ」がこの立場をとる。「上げ潮」の由来は、アメリカ・ケネディ政権のライジングタイド政策による。

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ニコニコ動画にテスト投稿

(西嶋)
どうも、西嶋です。
ゲンダイモンダイの第045回「エヴァンゲリオンとは何だったのか」を試験的にニコニコ動画にあげてみました。後編はこちらで先行公開(?)ですんで、試しに聞いてみてください。そしてよければコメントもつけてみてくださいね。よろしくおねがいします。

※ココログがニコニコ動画の外部プレーヤーに対応していなかったのでただのリンクになります。視聴にはニコニコ動画のアカウントが必要です。あー、早く対応しないかなー。




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第045回「エヴァンゲリオンとは何だったのか・1」

第045回は、約10年前のアニメ作品、「新世紀エヴァンゲリオン」について語ります。

現代のマンガ・アニメ状況を語る上ではずせない「エヴァ」。ただのアニメ作品が、アニメファンを越えて、社会現象にまでなった、その理由は何か。「エヴァ」が成立した背景と、90年代という時代から、「エヴァ」について改めて考えてみます。

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〔キーワード〕
ガソリン税,暫定税率復活,民主党,自民党,一般財源,特定財源,エヴァ,GAINAX,庵野秀明,碇シンジ,シミュラークル,

※土曜日配信としていましたが、こちらの都合で遅れてしまい、大変申し訳ありませんでした。

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ディベート形式で考える暫定税率(廃止派編)

(マリン)

 ディベート形式で考える暫定税率、第二回目は暫定税率廃止派の論理を見ていきます。前回のエントリーでは、暫定税率復活派の主張として、「2008年度は暫定税率の税収を前提にして予算が組まれているため、暫定税率が廃止されると2.6兆円程度の税収減となり、予定されていた多くの公共事業が財源不足で執行できなくなってしまう」というものを紹介しました。これは主に政府および与党が使っている復活のロジックです。今回は、このロジックに廃止派の立場から切り込んでいきます。

 廃止派は、「暫定税率分の2.6兆円がなくなっても大きな問題は生じない」ということを立証する必要があります。今回は廃止派のなかでも最もラディカルな「暫定税率分2.6兆円の穴埋めを一切行わない」というケースについて考えてみます。

 穴埋めを行わないとすると、道路予算のうち暫定税率分の2.6兆円を圧縮しなければなりません。平成20年度予算では、道路関係の予算として計上されたのは7.7兆円ですから、ここから暫定税率分がなくなると、道路関係予算は33%減の5.1兆円となります。この5.1兆円の範囲内で、道路建設・道路整備の計画を再検討し、優先度の高い事業のみを行っていくという方法があり得ます。再検討の段階で優先順が低いと判断された事業については、建設に着手したものであっても計画を白紙にするなどの踏み込んだ対応が求められます。自治体の反発は間違いありませんが、「予算が減ったのだからどうしようもない」と突っぱねれば、自治体はなにもできないでしょう。

 道路計画が中止になるケースは決して珍しくありません。今年3月には、東京湾口道路、伊勢湾口道路など6つの道路計画が中止になりました(詳しくはhttp://www.news.janjan.jp/government/0803/0803290793/1.phpを参照)。東京湾口道路計画には調査費としてすでに68億円が投入されていました。計画中止によって68億円がムダになったわけですが、数千億円をかけて必要性の低い道路を造るよりは良かったのではないでしょうか。すでに事業が動き出し、税金が投入されている道路計画でさえも見直しが可能なのですから、暫定税率の期限切れが、我が国の道路建設の必要性を再検討する重要な契機になり得たことは間違いありません。日本の公共事業費は、国際的に見てもかなり高い水準にあります。少し古いデータになりますが、OECD/Economic Outlook74,National Accounts 2003によれば、GDPに占める公共事業の割合は、米国が2.3%、英国が1.2%、ドイツが1.7%などのところ、日本は4.9%と突出して高い数値となっています。

 日本の道路整備が、他の先進各国から大きく遅れをとっているのだとすれば、この数値の開きは当然と言えます。しかし、国民の実感はどうでしょう。多くの国民が、不必要な道路が造られていると考えているのではないでしょうか。暫定税率が廃止された場合、公共事業の水準は他国の水準に近づきます。そもそも暫定税率は、1970年初頭のオイルショック時の緊急対策として設けられた制度です。「暫定税率」というぐらいですから、2年間の限定になる予定でしたが、自民党の土建政治にうってつけの制度だったため、現在まで30年以上も「暫定」状態が続けられているのです。以上のことを考えると、暫定税率は廃止されて当然であり、暫定税率分の2.6兆円がなくなったところで、政府がリーダーシップをとって計画の見直しを行えば容易に対応できる、ということになります。これが最もラディカルな廃止派のロジックです。

 暫定税率をめぐる賛成、反対の立場を2回に渡って紹介しましたが、ここで紹介した以外にもさまざまな意見があります。たとえば、暫定税率は維持するが、税金は環境税として徴収し、道路建設ではなく環境対策に税金を使うべきだという政治家もいます。道路特定財源の一般財源化についても、近日中にエントリーしたいと思いますので、読んでいただければ幸いです。僕の立場については、次回のゲンダイモンダイのニュースコーナーでしゃべりたいと思ってますので、ぜひポッドキャストを聞いてみてください!

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デザイン変更

(西嶋)

ども、西嶋です。最近、マリンがブログにアクセスできるようになって、ゲンダイモンダイのブログも活発になってきていますが、二年目ということもあり、デザインを変更いたしました。

気軽にデザインをコロコロ変えられるのがブログの良いところですね。今回は割とさわやかな、というか、かっこいい感じのデザインです。「んー、何かイメージと違うなー」とかあれば言ってくださいね。よろしくですー。

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今週の配信は土曜日です。

(マリン)

 昨日、東京に帰っていた西嶋とマリンとで、池袋に飲みに行きました! いつものワタミで3時間くらい飲んだ後、池袋のちょっと怖い感じの公園で缶コーヒー片手に二次会。GW中の西嶋のデート話と、ゲンダイモンダイの次回テーマなどについてだらだら話をしました。

次のテーマは、西嶋の解説による「エヴァンゲリオン」に決定。先日、テレ朝の「アメトーク」でもエヴァが取り上げられていたので、タイムリーかもしれません。 あと、ブログイメージ&ゲンダイモンダイのロゴも、土曜日に変わると思います。お楽しみに。

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